2022.11.29
右上眼瞼に発生した腫瘤に対して摘出手術を行った症例
症例は12歳9ヶ月のパピヨンのわんちゃんです。
右上眼瞼の腫瘤が最近になって増大してきたとのことで来院されました。
2年前に当院で診察させていただいたところ1mm大の腫瘤でしたが、6mm大に大きくなっており腫瘤が自壊して出血している状態でした。気にして擦っているとのことでした。
全身麻酔下にて摘出手術を実施しました。現在も順調な経過を得ています。
大きな眼瞼腫瘤を摘出する場合は眼瞼形成手術が必要となります。今回の症例はその基準を超えないものでした。
犬の眼瞼にできる腫瘤の多くはマイボーム腺腫(良性の腫瘤)と呼ばれるもので、本症例もマイボーム腺腫でした。他には悪性黒色腫、乳頭腫などがあります。
眼瞼の腫瘤に関しては眼などを傷つける可能性から、麻酔や鎮静をかけなければ細胞診検査(針を使用し細胞を採取し顕微鏡で観察する)ができないことが多いです。
腫瘍の状態により麻酔や鎮静を行い生検(腫瘍から一部組織を採取すること)を行い、その後手術を実施する場合もあります。
眼の周囲にしこりができた場合は早めの来院を心がけましょう。