超小型犬に多く、落下などにより第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)の靱帯が切れるまたは伸びる、あるいは歯突起という第二頸椎(軸椎)腹側にある小さな骨の突起部が骨折することなどにより発生するといわれています。先天性のこともあり、その場合は1歳未満の若い犬でチワワ、トイプードル、ヨークシャテリア、ポメラニアンなどの小型犬で起こります。
首を触るのを嫌がりこわばる、首を伸ばしたがり曲げるのを嫌がる、上目遣いをするなどの症状がみられます。重度になると足が麻痺したり、呼吸しづらい、排尿が出来ないや尿が漏れるなどの症状がでます。 |
臨床症状、神経学的検査、レントゲン検査及びCT検査を行い診断します。 |
軽度であれば内服薬とネックブレス(ギブス)などを使い治療します。治療に反応しないまたは重度の場合には手術を行い環椎と軸椎を固定します。 状況に応じて、動物専門のオーダーメイド装具なども適用し、患者さんに合わせた治療をご提案します。 |
水頭症とは脳室が拡張して起こる病気で、発作を起こしたり、怒りっぽい性格になったり、盲目になったりと様々な脳症状を起こします。先天的なものと頭部の外傷や炎症、腫瘍などによって起こる後天的なものがあります。先天的なものはミニチュアダックスフント、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャテリア、パグなどの小型犬に多く発生します。先天的な犬の特徴として、体格が小さく、泉門(頭頂部の穴)が開いている、ドーム状の大きな頭、黒目が外を向く外斜視が認められます。
治療は軽度のものでは内科的治療でコントロールできますが、重度の場合は脳室と腹腔に専用のチューブを入れ、脳圧が上がらないようにする手術(VPシャント)が必要になります。
軽度のものはほとんど症状がありません。症状がある場合は、しつけの覚えが悪い、ぼんやりしたり寝ている時間が多い、急に鳴き出したり、興奮したりするなどがみられます。重度の場合は痙攣や歩き方がおかしい、目が見えないなどの症状が見られます。 |
臨床症状、神経学的検査、レントゲン検査、超音波検査、CT検査、MRI検査により診断します。とくにCT検査やMRI検査は拡張した脳室を確認するために優れた検査です。 |
軽度の場合は脳圧を下げる薬を内服し治療します。治療に反応しない場合や重度の場合にはVPシャントという手術を行い脳圧を上げないようにします。 |