2022.09.23
口腔内腫瘍に対し放射線治療を実施した症例
13歳のトイプードルの女の子が、下顎歯肉から生じた腫瘤を主訴に来院されました。
腫瘤は最初は1cmほどの小さなものでしたが、他の病院にて切除しても再発を繰り返し大きくなってきていました。
病理検査をしたところ非上皮系悪性腫瘍と診断されました。下顎に腫瘍ができた場合、外科手術が選択肢としてあがりますが、顎ごと切除することになるため外見が変わったりうまく食事が摂れない可能性がでてきます。
放射線治療ではそういった合併症もなく腫瘍を縮小させることができる可能性が高かったため、この症例では放射線治療を選択しました。
放射線治療は週1回の4回照射プランで実施しました。初回照射時は腫瘤の増大も著しく、痛みからご飯もあまり食べられない様子でした。
放射線照射を2回実施したところで腫瘤は縮小し始め、ご飯も食べれるようになってきました。
4回照射後には腫瘤は消失し、口の痛みもなく今まで通りにご飯が食べれるまで回復しました。
放射線照射1回目
下顎先端が腫脹し、一部壊死も認められます。
放射線照射4回目
腫瘤はかなり縮小し、壊死部分もなくなりました。
放射線照射終了から1週間後
腫瘤はきれいに消失しました。ご飯もよく食べて生活の質も良好です。