2022.11.23
鼻腔内の軟骨肉腫に対して鼻腔腫瘍吸引術を実施した症例
症例は5歳のゴールデンリトリバーの女の子です。
1ヶ月前からのくしゃみと鼻血が出ているいう主訴で来院されました。
CT検査を実施すると右の鼻腔内が腫瘍で埋め尽くされており、左右の鼻を分けている鼻中隔という骨も圧迫されて左側に変位していました。
腫瘍の一部を採取して病理組織学的検査を行ったところ軟骨肉腫という診断が下りました。
一般的に鼻腔腫瘍は根治は困難な腫瘍といわれていて、放射線による治療が施されることが多いです。
しかし、当院では超音波手術器(SONOPET®)を用いて鼻腔腫瘍の治療(超音波で腫瘍を溶解して吸引)を行っています。
繰り返しの手術が必要にはなりますが症状は劇的に改善することが多いです。
この症例も1回目の手術後、鼻の通りが良くなりくしゃみの回数も明らかに減りました。
2回目の手術時のCT検査でも1回目の時よりも腫瘍の大きさは小さくなっていて順調です。
今後も腫瘍の増大スピードに合わせて定期的に手術を行っていくことになります。
2回目の手術のときのCT画像です
1回目の時よりも腫瘍が減っていました。