2022.09.26
低アルブミン血症に対して肝生検、腸生検を行った症例
症例は8歳のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの子です。
検診にて持続的な低アルブミン血症を認めた為、診断のために肝臓の楔状生検と小腸の全層生検を行いました。
血液検査で肝機能の検査(食前食後のアンモニア値、総胆汁酸値の測定)や尿検査にて尿への蛋白漏出の有無の検査(UPC、UACの測定)、X線検査、超音波検査などで明らかな異常が認められないことを確認してから麻酔をかけた検査に進みました。
当院ではCTの撮影ができるため全身の精査を行い画像で状態を把握することが可能です。
この症例においてもCT検査により生検部位や生検方法(内視鏡、腹腔鏡、開腹など)を判断する手助けとなりました。
生検を行うことで肝臓には銅過剰蓄積、小腸には慢性リンパ球形質細胞性小腸炎が起きているということが分かり、適切な治療を行うことが出来ています。
生検トレパンで全層生検しているので、組織量が多く診断精度が高いです。
写真は生検部位を2糸縫合したところです。