腫瘍
精巣腫瘍
精巣は男性ホルモンを分泌したり、精子を作ったりする雄の臓器です。
犬の精巣腫瘍は未去勢の犬であれば2番目に多く遭遇する腫瘍です。転移率は低いですが、腫瘍が産生した過剰なホルモンによって、雌性化、脱毛などが見られたり、最悪の場合骨髄抑制を起こして死に至ることもあります。
また陰こう(潜在精巣)といって、胎児期の精巣がお腹の中に残っている場合は、正常な犬と比べて9倍、腫瘍発生のリスクが高いとされており、発見も遅れやすいことから、予防的に早期に去勢することが望ましいとされています。
主な症状
腫瘍細胞の増殖によって精巣が腫れ上がっていることがあります。痛みはほとんどありません。
腫瘍部位からのホルモン分泌で毛が抜けたり、皮膚が黒ずんだりする(色素沈着)ことがあります。また乳頭が大きくなったり(雌性化)、反対側の腫瘍が小さくなったりすることがあります。
こんな事はありませんか?
- 去勢手術をしていない雄犬である
- 胎児期の精巣がお腹の中に残っている
- 精巣が腫れてきた
- 毛が抜けたり、皮膚が黒ずんでいる
診断
病変部の針生検を行い、細胞診断を行います。お腹の中にある場合、超音波検査、CT検査などが有用な検査となります。
症例
巨大な精巣腫瘍(セルトリー細胞腫)の写真です。
