皮膚病
甲状腺機能低下症
喉の下部にある甲状腺という臓器から分泌される甲状腺ホルモンの分泌が低下することによっておこる病気です。犬に多く発生します。
甲状腺ホルモンは身体の代謝を促進するホルモンのため、低下すると、寝ている時間が増える、元気がない、あまり食べていないのに太るなどの全身症状がでます。
皮膚では痒みのない左右対称性の脱毛が特徴で、その他に皮膚が油っぽい、光沢のない毛、フケが出る、毛刈りの後に毛が生えてこないなどの症状がでます。症状は背中や尾に出ることが多いです。
治療は甲状腺ホルモンの内服を行います。完治することのない病気ですが、内服を続けることにより良好な状態を保つことができます。
主な症状
寝ている時間が増えた、元気がない、あまり食べていないのに太っているなどの全身症状がみられます。
皮膚では痒みのない左右対称性の脱毛が特徴です。背中や尾に症状が出ることが多いです。その他皮膚が油っぽい(脂漏)、毛に光沢がない、フケが出る、毛を刈った後に生えてこないなどの症状がみられます。二次感染により他の皮膚疾患を併発していることも多いです。
こんな事はありませんか?
- 寝ていることが多い
- 元気がない
- 太ってきた
- 痒みのない左右対称性の脱毛が背中や尾にみられる
- 皮膚が油っぽい、毛に光沢がない、フケが出る
- 毛を刈った後に毛が生えてこない
診断
甲状腺ホルモンを測定することによって診断します。
また血液検査でコレステロール値が上昇していることも診断の手がかりとなります。
副腎皮質機能亢進症という他のホルモン疾患と関連していることも多いため慎重な診断が必要です。
症例
膿皮症とマラセチア性皮膚炎が認められた犬の腹部の写真です。
抗生物質とシャンプー療法ではなかなか改善しませんでした。
血液検査により甲状腺機能低下症と診断されたため、甲状腺ホルモンの薬を追加したところ、皮膚の症状にも改善がみられました。
