整形外科
前十字靭帯断裂
前十字靭帯とは膝の関節内にある靭帯で、大腿骨(太ももの骨)に対して脛骨(すねの骨)が前に飛び出さないように制限するとともに、膝の過伸展を防ぐ機能を持っています。この靭帯が何かしらの原因で切れてしまう病気のことを前十字靭帯断裂といいます。
前十字靭帯断裂は、老化に伴う靭帯の脆弱化(退行性変化)や肥満による負重の増加が原因となる場合と、内分泌異常が原因となる場合があります。
太っている、高齢などが誘因となり、走っている途中、曲がったときなどに突然後肢の跛行を起こすなどで来院されます。
触診とレントゲン検査でほとんどの診断が可能で、体重とその程度によって内科治療と外科治療に分類して治療します。
重傷の場合半月板損傷も起こしており、その場合体重に関わらず手術が適応となります。多くは関節外法といわれる手術法を実施し、通常の生活が出来るまで回復します。
主な症状
運動している時に、突然跛行し始めた、片足を完全に挙上しているなどの症状がみられます。
こんな事はありませんか?
- 老齢である
- 体重が重い
- 激しい運動をした後に、足を上げるようになった
診断
臨床所見、身体検査、レントゲン検査などを行い診断します。
身体検査では関節部分の触診で大腿骨に対して脛骨が前方に移動するかどうかを調べる。
レントゲン検査でも、脛骨の前方への移動を検査します。
症例
切れている前十字靭帯の写真です。
前十字靭帯が断裂していると、正常に歩けないのは言うまでもないですが、半月板という関節内の組織を損傷したり続発した障害が起こる可能性があります。
断裂した前十字靭帯を切除し、関節外に人工靭帯を用いた整復をしました。
