循環器疾患
ペースメーカー埋込み術
犬は我々と同様、迷走神経優位の動物と考えられ、安静時には迷走神経緊張時によく見られる呼吸性不整脈を呈し、睡眠時にはかなり徐脈になることも少なくありません。しかし、病的な徐脈性不整脈が生じると、運動不耐性、失神、虚脱といった前方拍出不全による臨床徴候を呈することがあります。また、不整脈の種類によっては突然死を招きかねません。このような症候性不整脈に対し、内科療法が奏効しない場合はペースメーカーが最後の砦となります。
主な症状
症状が無い場合も有ります。
運動したがらない。
痙攣を起こす。
失神や虚脱を起こす。
こんな事はありませんか?
- 運動したがらない。
- 痙攣を起こす。
- 失神や虚脱を起こす。
診断
身体検査(聴診)、心電図検査、ホルター心電図検査を行い診断します。
超音波検査にて基質的異常がないか検査します。
重度な心不全や副腎皮質機能亢進、糖尿病、悪性腫瘍などを認める場合は麻酔のリスク等の関係で適応とならない場合があります。
症例
症例は第3度房室ブロックを呈しており、頻繁に失神をし明らかな生活の質(QOL)の低下を認めました。
突然死の可能性が高く、ペースメーカー埋込み術を行いました。
心尖部にリードと呼ばれる心臓を刺激するラインが付いて、ジェネレーターという器械が腹部の筋間に留置されています。
術後、失神することは無くなり良好なQOLを維持しています。

ペースメーカーを設置している術中写真です。
リードが心尖部に設置された状態です。
